司法書士の仕事


皆さん、司法書士のことをご存知でしょうか?ほとんどの人は知らないでしょうね?闇金融の人に電話かけても、何それ?どんな字を書くの?とか言われるぐらいです。

小説にもほとんど登場しません。あっ、貴志祐介の「鍵のかかった部屋」の一章には脇役ではありますが、重要な人物として登場しますね。この小説はドラマにもなっています。ドラマの主人公になるのは、医者、弁護士、警察官ばっかり。あっ、司法書士のものがありました。「びったれ」。しかし、ほとんど見た人はいないかな。実は私も見ていません。映画にもなったのは、「いま、会いにゆきます」で主人公が司法書士事務所に勤務していました。事務所の代表司法書士は常に寝ていましたが、本物の司法書士は事務所では、ほとんど起きて事務をコツコツと黙々と坦々と行っています。地味でマイナーな職業です。

ここでは、司法書士のことを少しでも知っていただきたいので、簡単に紹介させていただきます。

司法書士の仕事は、主に登記業務です。相続があったときには、相続による不動産の登記申請を代理します。不動産を売買すれば、売買による所有権移転登記を申請します。不動産を担保に金銭を借り入れすると、抵当権の登記を申請します。会社は登記しなければ成立しません。これも司法書士が設立登記を代理申請します。会社の役員が変われば、変更登記を申請します。

訴訟をするときには、裁判所に書類を提出しなければ、裁判が始まりません。始まった後も次々に書類を提出しなければなりません。これらの書類を代理して作成するのも司法書士の仕事です。また、認定司法書士であれば、簡易裁判所における訴訟の代理人ともなれますので、本人の代わりに裁判所に出頭し、弁論等を行います。

認知症などにより判断が出来なくなった人の法定代理人となって、契約を結んだり、解約したりすることもあります。これが成年後見人です。親族以外の第三者で成年後見人に選任されている専門職では、司法書士の割合が一番高いのです。

次に司法書士の歴史を紹介します。結構、昔から司法書士は存在しています。

1872年(明治5年) 司法職務定制と代書人制度が誕生しました。太政官無号達で司法職務定制が定められました。『各区代書人ヲ置キ各人民ノ訴状ヲ調成シテ其詞訟ノ遺漏無カラシム』第10章の「証書人・代書人・代言人職制」の中に法制度を支える基本的な職能が定められました。証書人は現在の公証人、代書人は現在の司法書士、代言人が現在の弁護士です。この法令の名前は具体的で良いですね。

1919年(大正8年) 司法代書人法が制定されました。司法代書人と一般代書人に分離されました。司法代書人は裁判所などに提出する書類の作成を行い、それ以外の書類作成を一般代書人が行うことになりました。

1935年(昭和10年) 旧司法書士法が制定され、「司法代書人」は「司法書士」に名称が変更されました。

1978年(昭和53年) 国家試験制度が導入され、登録制度が新設されました。

2002年(平成14年) 簡易裁判所における訴訟代理等を行う業務が付与されました。法務大臣に認定を受けた司法書士は簡易裁判所における事物管轄を範囲内とする民事訴訟、調停等の代理、裁判外和解の代理を行うことができるようになりました。

英語では、Shiho-Shoshi Lawyerとか、Solicitorと表記されます。Solicitorというのは、イギリス、オーストラリア、香港、カナダにおける事務弁護士の事です。司法書士は身近な法律家なんですよ。

以上、司法書士の簡単な紹介でした。仕事の内容は以下に各ページのリンクを貼っておきますので、クリックしてください。

相続  遺言  遺産整理  成年後見  会社設立  企業法務

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